京都塗料商業協同組合

刷毛編 -その3-

 今回のテーマはまたまた「刷毛」の続編です。
 刷毛の種類と用途を説明します。

 種類及び形状には、おもに寸胴刷毛、平刷毛、筋違刷毛、目地刷毛、化繊(ナイロン)刷毛、コッピー刷毛、竹刷毛などがあります。その他に専用刷毛として、絵刷毛、糊刷毛、うるし刷毛、薬品刷毛、食用刷毛などがあります。それぞれの特徴を説明しましょう。

 寸胴刷毛は、毛を厚く植え腰が強く塗料含みが良いのが特徴です。平刷毛は毛がやや薄く幅が広い種類をいいます。筋違刷毛はいちばん多く使われている刷毛で柄に対して斜めに毛がとじてあります。

 目地刷毛は狭い目地の間や溝など塗りにくい部分に使用する金巻薄口タイプの刷毛です。その他に使用目的別に専用の刷毛があります。最高級塗装用のはけとして良質の馬毛をメインに使用した刷毛があります。これは油性から水性まで幅広く使用できます。しかし高価なため最近はあまり使われなくなりました。

 ペイント用は最高級塗装用より毛質を落とした比較的安価な刷毛です。合成樹脂塗料用は合成樹脂塗料に対応させた刷毛で、山羊毛がメインです。比較的厚みがあり含みを重視した刷毛です。ラック、ニス用は粘度が低いニス、ステインに合わせた柔らかい山羊毛を使った刷毛です。タイプに合わせて種類がたくさんあります。水生塗料用は化学繊維(ナイロン)を使った刷毛が多く一部は馬毛を使用したものもあります。目地用は狭い目地の間や溝など塗りにくい部分用の金巻薄口タイプの刷毛を使用します。隅切、ダメ込み用は狭い個所のすみを揃えて塗装するための刷毛です。山羊毛が使われています。

 塗料の進歩にともない刷毛もその時代のニーズに応じて改良が加えられてきました。昔のような高級刷毛は使われなくなり、安価な刷毛が多く使われるようになりました。今後、水性塗料の需要も多くなり化学繊維を素材としたナイロン刷毛や各種塗料に応じた刷毛が開発されていく事と思います。

水性ナイロン刷毛 (写真をクリックすると大きく表示されます。)